小川未明童話全集5
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Narrated by:
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パンローリング
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By:
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小川 未明
About this listen
5巻に収録
「金の輪」
太郎は長い間病気で寝ていましたが、ようやく日の当たる昼間だけ外へ出られました。ある日、太郎は外に出ると、金の輪が触れ合う音がし、一人の少年が二つの金の輪をまわしながら走ってきました。太郎にはまったく見覚えのない少年でしたが、少年は太郎に微笑しました。それは知り合いの友達にするようであり懐かしげに見えました。次の日の午後、また太郎は昨日と同じ時刻にあの少年が二つの金の輪をまわして走ってきました。そして、昨日よりもいっそう懐かしげに微笑み、なにかいいたげな様子でした。その晩、太郎は二日も同じ時刻に金の輪をまわした少年を見たことを母親に話しましたが信じてもらえませんでした。太郎は少年と友達になり、金の輪を一つ分けてもらい、どこまでも走って行く夢をみました。明くる日から太郎は熱が出て、太郎の病気は・・・。
「王さまの感心された話」
世界が造られた時、三人の美しい天使がいました。一番上のお姉さんはやさしく、口数の少ない人で、次の妹は目のぱっちりとしたやさしい人で、末の弟は快活な少年でありました。世界が作られる始まりであったため、三人は何かに姿を変えなければいけませんでした。しかし、一度姿を変えてしまえば二度と天使には戻れません。そこで、一番上の姉は星に、次の妹は花に、弟は小鳥になりました。星は夜ごとに輝き、花は夜露を身に受け、小鳥は昼間、花のそばでさえずりましたが、一番上の姉の姿を見ることはできず、三人いっしょに顔をあわせることができませんでした。それから幾世紀がたち、王様があらわれました。王様自身が勤勉なので、勤勉なものがなんでも好きでした。しかし、美しく咲いた花を見ると怠け者だと思い、星はなんの役に立つのだろうと思い、小鳥はやかましいと思っていました。そのとき、過去や未来のことがわかる魔法使いが王さまのもとに来ました。王様は、星、花、小鳥がなんのためにいるのかと魔法使いに聞きました。魔法使いは祈りを捧げ、星、花、小鳥にそれぞれ問いました。すると、王様の思ったこともない答えで・・・。
収録作品
金の輪
武ちゃんと昔話
もののいえないもの
ある夜の星たちの話
しらかばの木
お姉ちゃんといわれて
大根とダイヤモンドの話
山へ帰りゆく父
青葉の下
赤い船のお客
五銭のあたま
汽船の中の父と子
高い木と子供の話
花と人間
春近き日
南島の女
負傷した線路と月
街の幸福
月の中へ消えたこい
新しい友だち
お母さんのかんざし
花とあかり
西洋だこと六角だこ
からすの唄うたい
町はずれの空き地
お母さまは太陽
汽車は走る
おかしいまちがい
どこかで呼ぶような
紅すずめ
おじいさんが捨てたら
春の日
汽車の中で見たお話
兄と魚
アパートで聞いた話
雪くる前の高原の話
ある男と無花果
僕が大きくなるまで
空にわく金色の雲
ひすいの玉
王さまの感心された話
とびよ鳴け
愛は花よりは香ばし
心は大空を泳ぐ
小さなねじ
太陽の下で
山へ帰ったやまがら
笑わない娘
ひばりのおじさん
小さな金色の翼
雪の降った日
公園の花と毒蛾
(c)2017 Pan Rolling
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